500社以上のホームページ制作に関わって、最近思うこと。
▼ 目次
ホームページは、会社を整理した結果として生まれるもの。
これまで500社以上のホームページ制作に関わってきました。
業種も会社の規模もさまざまですが、最近あらためて感じていることがあります。
それは、
「良いホームページをつくること」と「会社のことをきちんと整理すること」は、
ほとんど同じなんじゃないか。
ということです。
ホームページ制作というと、
「どんなデザインにするか」
「どんな写真を使うか」
「何ページくらい必要か」
といった話をイメージされるかもしれません。もちろん、それらも大切です。
でも実際にホームページをつくり始めると、
その前に考えなければならないことがたくさん出てきます。
ホームページをつくる前に、会社のことを聞く。

私たちはホームページ制作の打ち合わせで、こんなことをよく聞きます。
「御社は、どんな会社ですか?」
「会社として大切にしていることは何ですか?」
「お客様は、なぜ御社を選んでいると思いますか?」
「どんなお客様と仕事をしていきたいですか?」
「これから、どんな会社にしていきたいですか?」
シンプルな質問ばかりですが、意外とすぐには答えられないものです。
ホームページには、会社の理念や想い、事業の方向性、商品やサービス、
働く人たちなど、会社そのものが表れます。
だから、ホームページを考えることは、必然的に会社について考えることになります。
「強み」ではなく、「らしさ」から考えてみる。

その中でも難しい質問のひとつが、
「御社の強みは何ですか?」
という質問です。
「強み」と言われると、
「競合より優れているところは?」
「他社にはないものは?」
「圧倒的な特徴は?」
と考えてしまい、身構えてしまいます。
実際にお客様との打ち合わせでも、
「うちの強みって何やろう……」
となかなか意見が出てこないことがあります。
そんなとき、私たちは少し聞き方を変えます。
「じゃあ、“御社らしい”ところって何ですか?」
例えば、
「困っているお客様がいたら、そこまでやる?ってところまでやってしまうよね」
「営業だけじゃなく、技術の人間もお客様と直接話すよね」
「小さな仕事でも丁寧に対応するよね」
「うちは昔から、納期だけは絶対に守るよね」
「社長、こういうところだけは妙に細かいよね(笑)」
こういう話になると、不思議といろいろな意見が出てきます。
一つひとつを見ると、「それって強みなの?」と思うようなことかもしれません。
でも、私はこの「らしさ」の中にこそ、その会社の本当の強みが隠れていると思っています。
「強み」は、どうしても他社との比較で考えてしまいます。
一方で「らしさ」は、自分たちの中にあるものです。
長年仕事をする中で自然と続けてきたこと。
社員みんなが当たり前だと思っていること。
お客様からよく褒められること。
なぜか自分たちが大切にしていること。
そうしたものを一つひとつ拾っていくと、
「ああ、これがうちらしい会社なんだな」
という輪郭が少しずつ見えてきます。
そして、その「らしさ」をお客様の目線から見てみると、
「だから、この会社は安心できる」
「だから、この会社にお願いしたい」
という「選ばれる理由」につながっていることがあります。
でも、ホームページはあくまで「ツール」です。
ここでもうひとつ、私たちが大切にしていることがあります。
それは、
ホームページは、あくまでツールである。
ということです。
ホームページをつくれば、会社の課題がすべて解決するわけではありません。
例えば、ホームページから新しいお客様を獲得したいとします。
そのときに重要なのは、「自社は、誰をお客様にしたいのか?」ということです。
業種は?
会社規模は?
どんな課題を持っている会社なのか?
なぜその人たちに自社の商品やサービスが必要なのか?
これは本来、ホームページ制作会社が決めることではありません。
その会社自身が考えるべき「事業戦略」です。
もちろん私たちも一緒に考えます。
第三者だからこそ見えることもありますし、
これまで多くの会社に関わってきた経験からアドバイスできることもあります。
でも最終的には、
「誰に、どんな価値を提供して、どんな会社になっていくのか」
ということは、自社で決めなければなりません。
会社の理念や想いがあって、そこから事業戦略があり、
その戦略を実現するためのひとつの手段としてホームページがある。
私は、その順番がとても大切だと思っています。
採用サイトをつくれば、人が採れるわけではない。

これは採用についても同じです。
「人が採れないから、採用サイトをつくりたい」
というご相談をいただくことがあります。
もちろん、採用サイトは大切です。
会社の魅力や仕事の内容を求職者にきちんと伝えることで、
応募につながる可能性は高くなります。
でも、採用サイトをつくるだけで人が採れるわけではありません。
求職者が会社を選ぶときには、
会社は何のために存在しているのか。
この会社で働くことで、どんなやりがいがあるのか。
どんな人たちと働くのか。
どんな働き方ができるのか。
給料はどうなのか。
福利厚生はどうなのか。
成長できる環境があるのか。
さまざまなことを見ています。
もし、その中身に魅力がなければ、どれだけ格好いい採用サイトをつくっても限界があります。
「ない魅力」をホームページでつくることはできません。
ただ、だからといって、
「全部整ってから採用サイトをつくりましょう」
という話でもないと思っています。
ホームページ制作をきっかけに、自社の採用について考えてみる。
「うちの会社のやりがいって何だろう?」
「社員は何に魅力を感じて働いてくれているんだろう?」
「逆に、求職者から見たら弱いところはどこだろう?」
そうやって整理していく中で、
「ここはもう少し改善しよう」
「この制度は見直してみよう」
「社員とのコミュニケーションを増やしてみよう」
と、一つでも二つでも会社そのものを良くしていく。
私は、その姿勢がとても大切だと思っています。
ホームページ制作は、会社を見つめ直すきっかけになる。

これは採用だけではありません。
営業でも、採用でも、ブランディングでも同じです。
ホームページをつくっていると、
「誰に売りたいのかが曖昧だった」
「自社の強みを社員同士で話したことがなかった」
「会社の理念はあるけど、社員に伝わっていなかった」
「採用したい人物像が決まっていなかった」
「今の事業内容とホームページに書いてあることがズレていた」
といったことに気づくことがあります。
私は、こういう気づきもホームページ制作の大きな価値だと思っています。
ホームページが会社を変えるわけではありません。
でも、ホームページをつくることをきっかけに、会社を見つめ直すことはできる。
そして、そこで見つかった課題を一つでも二つでも改善する。
会社そのものが少し良くなれば、当然ホームページで伝えられることも良くなります。
デザインする前に、まず本質を整える。

良いデザインをつくることは大切です。
私自身、Webデザイナーとして長く仕事をしてきたので、
デザインの力はとても大切だと思っています。
でも、どれだけ格好いいホームページをつくっても、
その会社が何を大切にしていて、何を目指していて、
誰にどんな価値を提供したいのかが曖昧なら、
本当に伝わるホームページにはなりません。
逆に、
「自分たちは何者なのか」
「自分たちらしさは何なのか」
「何のためにこの事業をしているのか」
「誰に価値を届けたいのか」
「これからどんな会社になりたいのか」
ということが整理されていれば、伝えるべきことは自然と見えてきます。
キャッチコピーも、コンテンツも、写真も、デザインも、そのあとです。
ホームページをつくることが目的ではない。

私たちスーパーグラフィックスは、ホームページ制作会社です。
でも最近は、「ホームページをつくること」が私たちの仕事ではない。
と考えるようになりました。
会社の理念や想いを聞く。
事業戦略を理解する。
会社の中にすでにある魅力や「らしさ」を見つける。
まだ言葉になっていない価値を整理する。
そして、ときにはホームページ制作をきっかけに、会社そのものを少し良くするお手伝いをする。
そのうえで、
「誰に、何を、どう伝えるのか」
を考え、ホームページという形にしていく。
だから最近、私たちの仕事をこんな言葉で表しています。
SHAPE THE ESSENCE.
SHARE THE VALUE.
本質を整え、価値を伝える。
ホームページは、会社を良くする魔法の道具ではありません。
あくまで、会社の理念や想い、事業、商品、サービス、人、
そして「らしさ」を社会に伝えるためのツールです。
だからこそ、ホームページのリニューアルを考えるとき、
「どんなホームページにしよう?」
から始めるのではなく、
「自分たちは、何のためにこの事業をしているのか?」
「誰に、どんな価値を届けたいのか?」
「自分たちらしさって、何だろう?」
「これから、どんな会社になりたいのか?」
そんなことから考えてみる。
ホームページ制作は、単なるWebサイトのリニューアルではなく、
自分たちの会社を見つめ直し、これからの会社を少し良くする機会にもなる。
500社以上のホームページ制作に関わってきて、最近そんなことを強く感じています。