AIO①入門編:AIが正しく理解するウェブサイトとは?
検索の世界はいま、大きな転換期を迎えています。
これまでのSEOが、検索エンジンを通じて人に情報を届けることを重視してきたのに対し、これからはAIがWeb上の情報を収集・整理し、回答を生成する場面も増えています。
そこで重要になるのが、「人にとって分かりやすい」だけでなく、「検索エンジンやAIなどのシステムにとっても情報を扱いやすい」Webサイトづくりです。
この記事では、AI検索時代を見据えたWebサイトづくり=AIO(AI Optimization)の基本と、その取り組みの一つとして活用できるSchema.org(構造化データ)について紹介します。
▼ 目次
序章:Schema.orgとは何か ― “見出しタグ”とは違う、情報を機械に伝えるための共通語彙
「Schema.orgを使う=h1やh2の見出しをつけること」と誤解されやすいのですが、それはまったく別の仕組みです。
Webページのh1・h2などの「見出しタグ」は、ページ内のコンテンツの階層や見出しを示すためのものです。
一方、構造化データ(Schema.org)は、検索エンジンなどのシステムがページの内容や、そこに含まれる情報を理解しやすくするための共通の語彙です。
つまり、
- 見出しタグは「ページ内の見出し・階層を示す構造」
- Schema.orgは「情報の種類や関係を機械が扱いやすくするための共通語彙」
という違いがあります。
大事なことなので、もう一度言います。
Schema.orgは“AIに向けた見出し”を作る仕組みではありません。
人にとっての見出しタグ(h1・h2)とは役割が異なり、Web上の情報を機械が扱いやすい形で表現するための仕組みです。
ここを理解することが、AIOを考える第一歩です。
角度を変えて考えてみましょう
Googleなどの検索エンジンや、AIを利用した検索サービスが、企業やサービスに関する情報を扱う際、Webサイト上の情報が整理され、意味や関係が明確になっていることは重要です。
そこで利用できるのがSchema.orgです。
たとえるなら、
「人に伝えるための文章の書き方」ではなく、「情報を機械が扱いやすくするための文法・型」
をまとめた辞書のようなものです。
たとえば、
- これは会社に関する情報
- これは住所
- これは商品
- これは価格
- これは記事
といった情報の種類や属性を、共通のルールに沿って表現できます。
Schema.orgを適切に利用することで、検索エンジンなどに対して、Webサイトに含まれる情報をより明確に伝えるための手がかりを提供できます。
なぜ今これが重要なのか
Webサイトの文章は、人間が読めば自然に意味を理解できます。
しかし、検索エンジンなどのシステムがWebページの情報を扱う際には、「これは会社なのか」「これは住所なのか」「これは商品の価格なのか」といった情報を明示しておくことが役立ちます。
そこでSchema.orgは、ページの中の情報に対して、種類や属性、関係などを表現するための共通語彙を提供しています。
つまり、人間だけでなく、機械にも情報を理解してもらいやすいWebサイトにするための方法の一つなのです。
AI検索の時代を考えるなら、こうした「情報の整理」は、これからますます重要になっていくでしょう。
SEOからAIOへ ― 「AIにも伝わる」時代の最適化
Schema.org対応は、SEOとはまったく別のものというわけではありません。
むしろ、SEOの基本を押さえたうえで、AIを利用した検索など、Web上の情報がさまざまな形で利用されることも意識していくことが大切です。
これまでのSEO(検索エンジン最適化)は、検索エンジンにコンテンツを適切に理解・評価してもらい、検索ユーザーに見つけてもらうための取り組みでした。
一方、今はChatGPTやPerplexity、Geminiなど、AIを利用して情報を検索・整理し、回答を生成するサービスも広がっています。
AI検索では、Web上のさまざまな情報が参照され、回答や検索結果が生成されます。
だからこそ、これからのWebサイトでは、
「検索エンジンに見つけてもらう」だけでなく、
「Webサイトに書かれている情報を、機械にも分かりやすく整理しておく」
という視点も重要になります。
このような、AI検索時代を見据えてWebサイトやコンテンツを最適化する取り組みは、AI Optimization(AIO)などと呼ばれることがあります。
要するに、
SEOが「検索エンジンから適切に評価され、検索ユーザーに見つけてもらう」ための最適化なら、AIOは「AIを利用した検索や情報提供の環境も意識して、情報を適切に整理・提供する」ための取り組み
と考えることができます。
その具体的な取り組みの一つとして、今回注目したいのがSchema.orgによる構造化データです。
AIOの基本 ― Schema.orgという「情報を表現するための共通語彙」
AIOを考えるうえで、Webサイトの情報を機械が扱いやすい形で整理する方法の一つとして、Schema.orgがあります。
Schema.orgは、Google・Microsoft・Yahoo・Yandexによって設立され、現在はオープンなコミュニティプロセスによって発展している、Web上の構造化データのための共通語彙です。
企業や人物、商品、記事などの情報や、それらの属性・関係などを表現できます。
たとえるなら「情報を機械に伝えるための文法」
人間が文章を読むときは、自然に文脈を理解できます。
一方、Webページに書かれた情報を機械が扱う際には、
「これは会社に関する情報なのか」
「これは住所なのか」
「これは商品の価格なのか」
といった情報を明示的に表現しておくことが役立ちます。
そこで使われるのがSchema.orgです。
ページの構造化データに、
「これは会社に関する情報」
「これは住所」
「これはサービス内容」
というように、情報の種類や属性を表現できます。
こうした構造化データを適切に実装することで、検索エンジンなどがページ内容を理解するための手がかりを提供できます。
Googleでは、構造化データを利用してページの内容を理解し、対応する検索機能やリッチリザルトに活用する場合があります。
ただし、構造化データを実装したからといって、検索結果への表示や順位が保証されるわけではありません。
だからこそ、Schema.orgは「検索順位を上げる魔法」ではなく、Webサイトの情報を正しく整理し、機械に伝えるための基盤として考えることが大切です。
「h1やh2の見出し」とは違う仕組みです
よく混同されますが、Schema.orgは「h1やh2の見出しタグを設定すること」とは異なります。
どちらもWebページの情報を整理するうえで重要ですが、役割が違います。
| h1/h2タグ | Schema.org(構造化データ) | |
|---|---|---|
| 主な役割 | ページ内の見出しやコンテンツの階層を示す | コンテンツや情報の種類・属性・関係などを機械が扱いやすい形で表現する |
| 表示 | ページ上に表示される | 通常、ページ上には直接表示されない |
| 形式 | HTMLの見出し要素 | JSON-LD、Microdata、RDFaなど |
| 例 | 「サービス」「料金」など | 「これはOrganization」「これはProduct」「価格は○○」など |
もう一度整理しましょう。
見出しタグは「ページ内の見出し・階層を示す構造」。
Schema.orgは「情報の種類や関係を機械が扱いやすくするための共通語彙」。
どちらもWebサイトの情報を整理するうえで重要ですが、役割は違います。
AIOを考える際には、この2つを別々の仕組みとして理解することが大切です。
AIOを行うと何が変わるの?
Schema.orgによる構造化データを適切に実装しておくと、次のような効果が期待できます。
- Google検索で、対応するリッチリザルトなどの表示対象になる可能性がある
- 検索エンジンがページ内容を理解するための明示的な手がかりを提供できる
- Webサイトに掲載している会社・商品・サービスなどの情報を、機械が扱いやすい形で整理できる
つまりAIOは、これまでの「検索エンジンから評価され、検索ユーザーに見つけてもらうためのSEO」に加えて、
「AIを利用した検索や情報提供の環境も意識して、Webサイトの情報を整理・提供する」
という視点へ広げていく取り組みです。
もちろん、Schema.orgを設定しただけでAIの回答に掲載されたり、検索順位が上がったりするわけではありません。
GoogleもAI OverviewsやAI Modeについて、従来のSEOの基本的なベストプラクティスが引き続き有効であり、AI機能のための特別なSchema.orgや追加の最適化は必要ないと案内しています。
だからこそ、AIOは「AI対策だけをする」のではなく、SEOを基本としながら、Webサイトの情報をより明確・正確に整理していくことが重要です。
そして、その具体的な手段の一つとして取り組めるのが、Schema.orgによる構造化データです。
まとめ ― 「AIにも正しく理解されやすい」Webサイトへ
ここまでを簡単に振り返りましょう。
- Schema.orgは「Web上の情報を機械が扱いやすくするための共通語彙」
- SEOに加えて、AI検索時代を見据えたWebサイト・コンテンツの整理も重要になっている
- 構造化データは、検索エンジンなどがページ内容を理解するための手がかりの一つ
- 構造化データを実装しても、検索結果やAI回答への表示・引用が保証されるわけではない
Schema.orgは、AI検索時代に向けてWebサイトの情報を整理するための、具体的な手段の一つです。
見た目には変わらないけれど、会社情報やサービス、商品、記事など、Webサイトに含まれる情報を機械が扱いやすい形で整理できます。
「自社のWebサイトは、AIや検索エンジンから正しく理解される状態になっているだろうか?」
そう感じたら、Webサイトの構造や構造化データについて、一度専門家に相談してみるのも一つの方法です。
Schema.orgの設計や実装には、Webサイトの目的や掲載情報に応じた適切な設定が必要です。
AI検索時代に向けたWebサイトの整備を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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